CBTは、パソコン操作の速さを競うテストではなく、端末の画面で問題を確認し、選択・文字入力・音声録音などで回答する試験方式です。2026年度の全国学力・学習状況調査では、中学校英語がCBTで実施され、国語と数学は紙の筆記方式で行われました。操作に不安がある場合は、高額な教材や機材を購入する前に、学校の事前確認や在籍校からの案内を確認しましょう。
- CBTと紙のテストの違い
- 中学英語の「聞く・読む・書く・話す」の回答方法
- 家庭で確認できる基本操作と学校へ相談できる配慮
2026年度は中学英語がCBT|国語・数学は紙で実施
CBTは「Computer Based Testing」の略で、パソコンやタブレットなどのICT端末を使って問題を確認し、回答するテスト方式です。
一方、問題冊子と解答用紙を使う従来の筆記方式は「PBT(Paper Based Testing)」と呼ばれます。
2026年度の全国学力・学習状況調査では、中学校の国語と数学がPBT、中学校英語がCBTで実施されました。すべての教科がパソコンで行われたわけではありません。
CBT
端末の画面に問題が表示され、選択、文字入力、音声再生、録音などによって回答します。
PBT
紙の問題冊子を読み、解答用紙へ鉛筆などで記入します。2026年度の中学校国語・数学はこちらの方式でした。
対象は原則として中学校3年生
全国学力・学習状況調査の中学校調査は、原則として中学校3年生が対象です。義務教育学校の後期課程3年生、中等教育学校の前期課程3年生、特別支援学校中学部3年生なども対象に含まれます。
全国学力調査は、高校入試の合否や、生徒の単純な全国順位を決めるための試験ではありません。
全国的な学力や学習状況を把握し、教育施策の検証や学校での指導改善に役立てることが主な目的です。調査で分かるのは学力や学習状況の一部分であり、子どもの能力全体を表すものではありません。
2026年度の実施方式や日程は、文部科学省「令和8年度の調査実施」で確認できます。
中学校英語ではMEXCBTを使用
2026年度の中学校英語では、文部科学省が提供するCBTシステム「MEXCBT(メクビット)」が使用されました。
MEXCBTでは、生徒が学校で使用しているICT端末などから問題へアクセスします。問題に応じて、選択肢を選ぶ、英文を入力する、音声を聞く、マイクへ話すといった方法で回答します。
特定のパソコンメーカーやOSだけを前提とした試験ではありません。学校や自治体が整備している端末を利用するため、家庭のパソコンとは画面やキーボードが異なることがあります。
2027年度は国語・数学を含めて全面CBT化する予定
「中学校では英語だけがCBT」というのは、2026年度の教科調査における実施方式です。
文部科学省は、2027年度(令和9年度)に全国学力・学習状況調査を全面的にCBTへ移行する予定を示しています。
2027年度は、小学校の国語・算数、中学校の国語・数学と、児童生徒質問調査をMEXCBTで実施する予定です。全国同日一斉ではなく、一定の期間内に日程を分散して実施する方針です。
詳しくは、文部科学省「今後の全国学力・学習状況調査のCBTでの実施について」で確認できます。
年度によって対象教科、日程、回答形式が変わる可能性があるため、実際に受ける年度の文部科学省資料と学校からの案内を優先してください。
中学英語のCBTでは4技能をどう回答する?
中学校英語の調査では、「聞くこと」「読むこと」「書くこと」「話すこと」の4技能を端末上で確認します。
学習指導要領では、「話すこと」が「やり取り」と「発表」に分かれており、英語は5つの領域として整理されています。一般にいう英語4技能と矛盾するものではありません。
音声を聞いて選択する問題、画面上の英文を読む問題、キーボードで英文を入力する問題、マイクへ英語を話して録音する問題などがあります。
「聞くこと」は音声を聞いて画面上で回答する
「聞くこと」では、ヘッドセットまたはイヤホンで英語の音声を聞き、端末の画面上で回答します。
2026年度は、文部科学省が配布するヘッドセットのほか、学校が保有するイヤホンや、生徒が普段の授業で使用している使い慣れたイヤホンも利用できる運用でした。
回答方法は問題によって異なりますが、画面に表示された選択肢を選ぶ形式などがあります。音声の再生方法や回数については、問題画面に表示される指示に従います。
家庭で音楽や動画を視聴するときのように、好きな場所まで自由に戻ったり、何度でも再生したりできるとは限りません。画面の説明を確認してから操作することが大切です。
2026年度は、「聞くこと」が20分程度、生徒質問調査と合わせて50分程度とされていました。
「読むこと・書くこと」は画面確認と英文入力を行う
「読むこと」では、画面に表示された英文、資料、会話文などを読み、設問に回答します。問題によっては、スクロールして文章の続きや選択肢を確認する操作が必要です。
「書くこと」では、画面上の入力欄へ単語や英文をキーボードで入力します。英字の大文字・小文字、スペース、削除などの基本操作を使います。
2026年度は、「読むこと」と「書くこと」を合わせて50分程度とされていました。
すべての問題で長い英文を入力するわけではありません。ただし、アルファベットの位置や入力欄の操作がほとんど分からない場合は、英語の答えを考える以外の部分に時間を使う可能性があります。
「話すこと」は先生との面接ではなく音声を録音する
英語の「話すこと」は、原則として口述式で回答します。
先生と1対1で会話したり、教室の前に立って発表したりする形式ではありません。端末から流れる音声や画面の指示を確認し、マイク付きヘッドセットのマイクに向かって英語を話します。回答した音声は端末を通じて録音されます。
2026年度の「話すこと」の調査時間は20分程度でした。問題によって準備時間や回答時間が決められているため、画面や音声の指示に従って進めます。
マイクへ話すことに慣れていない生徒は、自分の声が録音されること自体に緊張する場合があります。ただし、大きな声を出す訓練や、市販の録音教材を用意する必要があるとは限りません。
学校で行われる事前検証やサンプル問題を通して、声が入力されるか、画面の指示に合わせて話せるかを一度確認しておくと、操作への戸惑いを減らしやすくなります。
CBTで問われる英語力と端末操作は分けて考える
CBTでは端末を使いますが、パソコン操作の速さだけを測定する試験ではありません。中学校英語の調査で確認する中心は、英語を聞く、読む、書く、話す力です。
一方で、操作に時間がかかると、英語の問題を考えたり、回答を見直したりする時間が少なくなる可能性があります。
タイピング速度自体が得点になるわけではない
文部科学省の実施要領では、タイピング速度を独立した採点項目にするとは示されていません。採点対象になるのは、入力または録音した英語の解答です。
そのため、「速く入力できなければ点数が取れない」「ブラインドタッチができなければ受けられない」と過度に不安になる必要はありません。
ただし、アルファベットの位置がほとんど分からない場合や、入力欄の使い方が分からない場合は、操作を確認しているうちに時間が経過することがあります。
高速入力を目指すより、短い単語や英文を落ち着いて入力し、入力内容を画面で確認できる状態を目標にする方が現実的です。
英語入力で確認したい操作
日本語のローマ字入力に慣れていても、英語の文章を入力するときには少し異なる操作が必要です。
- 英字で入力する
- 文の先頭や固有名詞で大文字を入力する
- 単語と単語の間にスペースを入れる
- 誤入力した文字を削除する
- 入力した英文を画面上で読み直す
句読点や記号の扱いは、問題画面の指示に従います。特定のキーボード配列を家庭で暗記するのではなく、学校で実際に使用する端末で確認することが重要です。
公式サンプル問題は操作確認に使う
CBTのサンプル問題は、実際の非公開問題を予想したり、正答を暗記したりするためのものではありません。
問題画面の見方、選択肢の選び方、英文の入力、音声再生、録音といった回答形式に慣れるために用意されています。本番で使われる可能性のある回答方式を、一通り確認できるように構成されています。
操作確認に使用するサンプル問題は、国立教育政策研究所「令和8年度調査 CBTサンプル問題」で確認できます。
2026年度に実際に出題された公開問題、正答例、解説資料は、国立教育政策研究所「令和8年度全国学力・学習状況調査」で公開されています。
公開されている問題は、非公開問題を含む本番の全問題ではありません。また、調査問題や正答例などの無断転載・複製は禁止されているため、利用条件を確認してください。
家庭で確認したいCBTの基本操作
家庭でできる準備は、特別なCBT対策ソフトを購入することではありません。普段使っているブラウザや学習端末で、基本的な画面操作と文字入力に不安がないかを確認する程度で十分です。
CBT前に確認したい基本操作
- 学校の案内に従って学習用アカウントへログインできる
- 画面を上下にスクロールできる
- 問題番号や「次へ」などのボタンを選べる
- ヘッドセットやイヤホンから音声が聞こえる
- マイク付きヘッドセットのマイクに向かって話した声が録音される
- 英字で単語や短い英文を入力できる
- 誤入力した文字を削除して修正できる
- 学校の指示に従って終了画面まで進める
画面移動とスクロールを確認する
CBTでは、1つの画面に問題文や資料のすべてが収まらない場合があります。画面をスクロールして、続きの文章や選択肢を確認する操作が必要です。
画面上部や横に問題番号が表示され、別の問題へ移動する形式もあります。ボタンの位置やデザインは年度・問題・端末によって異なるため、特定の画面だけを暗記する必要はありません。
画面の説明を読み、選択中の問題や回答欄を確認してから次へ進みます。
音量とマイクの状態を確認する
「聞くこと」では、ヘッドセットまたはイヤホンから音声が聞こえるかを確認します。「話すこと」では、マイク付きヘッドセットで声を録音できるかを確認します。
音量が小さすぎる、大きすぎる、片方からしか聞こえない、マイクが声を拾わないといった場合は、調査開始前に先生へ伝えます。
自分で端末の細かな設定を変更し続けるより、学校の担当者に確認してもらう方が安全です。学校管理の端末では、生徒が変更できる設定が制限されている場合もあります。
短い英文を落ち着いて入力する
家庭で文字入力を確認する場合は、長文を速く入力する練習よりも、短い英文を正確に入力できるかを確認します。
たとえば、自分の名前、好きな教科、昨日したことなどを1文で入力し、スペースや大文字を確認します。これは実際の出題内容を予想する練習ではなく、キーボード操作の確認です。
中学生が日常の学習で使うパソコン操作を広く確認したい場合は、中学生が身につけたい基本的なパソコンスキルも参考にしてください。
文字入力そのものに強い不安がある場合は、タイピングの基本から練習する方法で、キーの位置や入力方法から確認できます。
ただし、CBTのために短期間で高速タイピングを身につける必要はありません。学校の端末で問題を読み、必要な文字を入力できる状態を優先しましょう。
実施日・端末・ヘッドセットは学校の案内を確認する
全国学力調査の実施日や使用する機材は、年度や学校によって異なります。特にCBTは、全国のすべての生徒が同じ日時に同じ操作をするとは限りません。
⚠️ 年度や学校によって実施方法が異なります
2026年度の日程や機材の説明を、2027年度以降にもそのまま当てはめないでください。実際に受ける年度の文部科学省資料と、在籍校から配布される案内を優先します。
「話すこと」は学校によって実施日が異なった
2026年度の英語「話すこと」は、文部科学省が指定した500校程度の「当日実施校」と、それ以外の「期間内実施校」に分けて実施されました。
当日実施校は2026年4月24日または4月27日の指定日、期間内実施校は4月28日から5月29日までの間に指定された日に実施する方式でした。
したがって、全国の中学3年生が同じ日に「話すこと」を受けたわけではありません。
集計方法にも違いがあります。「話すこと」の全国値には当日実施校の結果が使われ、話すこと単独の都道府県等別集計は行われません。
期間内実施校の結果も採点され、生徒や学校への調査結果提供の対象になりますが、国が示す「話すこと」の全国値には使用されません。
「聞くこと」と「話すこと」では使用機材が異なる
2026年度の「聞くこと」では、文部科学省が配布するヘッドセットのほか、学校が保有するイヤホンや、生徒が普段の授業で使っているイヤホンも利用できました。
一方、「話すこと」では音声を録音する必要があるため、文部科学省が配布するマイク付きヘッドセットまたは学校が保有するヘッドセットを使用します。
調査に必要なヘッドセットは、学校の保有状況を踏まえて配布・調整されます。そのため、保護者が調査のためだけにマイクや高価なヘッドセットを一律に購入する必要はありません。
個人所有のイヤホンを使うかどうかや、家庭から機材を持参するかどうかは、自己判断せず学校の案内に従ってください。
欠席や端末トラブルが起きた場合
調査当日に欠席した場合や、端末・ネットワークのトラブルによって実施できなかった場合には、教育委員会や学校の判断により、定められた期間内に実施できる仕組みがあります。
ただし、生徒や保護者が自由に日程や場所を選べるという意味ではありません。学校外で実施できる調査についても、対象となる期間や条件が定められています。
当日に画面が動かない、音声が聞こえない、録音できない、ログインできないなどの問題が起きた場合は、無理に操作を続けず、その場で先生へ伝えましょう。
操作や障害に不安がある場合は早めに学校へ相談する
読み書き、視覚、聴覚、発話、端末操作、日本語の理解などに困難がある場合は、調査直前まで待たず、早めに担任や学校へ相談します。
全国学力調査では、障害の種類や程度、普段の学習状況などを踏まえ、各学校の判断によって配慮を行える場合があります。
実施要領に示されている配慮例
2026年度の実施要領では、障害のある児童生徒に対する配慮例として、次の内容が示されています。
- 調査時間の延長
- 点字問題の使用
- 拡大文字問題の使用
- ルビ振り問題の使用
- 代理解答
- 別室での実施
- 英語「話すこと」におけるスクリプト表示問題
英語「話すこと」では、問題音声の内容を画面上へ文字で表示するスクリプト表示や、発話が難しい生徒の回答を教員が入力する方法なども用意されました。
日本語指導が必要な生徒についても、学校の判断により、調査時間の延長やルビ振り問題などの配慮が可能とされています。
具体的な条件は、文部科学省「令和8年度全国学力・学習状況調査に関する実施要領」で確認できます。
希望すれば全員が同じ配慮を受けられるわけではない
示されている配慮を、希望者が自由に選択できるという制度ではありません。
生徒の障害の種類や程度、普段の授業で行われている支援、調査の内容などを踏まえて、学校が実施方法を判断します。
学校と相談し、利用する配慮や実施方法を事前に確認しておくことが大切です。
「パソコンが苦手」だけでなく困る場面を伝える
学校へ相談するときは、「パソコンが苦手です」とだけ伝えるよりも、どの場面で何に困るのかを具体的に整理すると状況が伝わりやすくなります。
- 画面上の長い文章を読み続けることが難しい
- 文字の大きさや行間によって読み間違いが増える
- 音声を聞きながら画面を操作することが難しい
- マイクへ向かって発話することが難しい
- キーボード入力に通常より長い時間がかかる
- 複数の画面や問題番号を切り替えると混乱しやすい
- 日本語の問題文を理解するために時間が必要になる
普段の授業で、拡大表示、読みやすい教材、別室、時間延長などを利用している場合は、その支援内容も伝えます。
学校へ相談するときの流れ
相談する際は、希望する対応だけでなく、その対応が必要な理由と、対応がない場合に起きやすい困りごとを伝えます。
調査日が近づいてから初めて相談すると、機材や実施場所の調整が間に合わない可能性があります。端末を使ったテストに強い不安がある場合は、普段の学校生活の相談として早めに伝えておきましょう。
よくある質問(FAQ)
CBTではタイピングが速いほど点数が高くなりますか?
タイピング速度そのものを独立して得点化するとの記載は、文部科学省の実施要領では確認できません。採点対象は入力した英語の解答です。ただし、入力に時間がかかると、英文を考えたり見直したりする時間が少なくなる可能性があります。高速入力ではなく、短い英文を落ち着いて入力できる状態を目標にしましょう。
英語「話すこと」は先生と1対1で会話しますか?
2026年度の全国学力調査では、先生との面接ではなく、端末の指示に従ってマイクへ英語を話し、音声を録音する口述式でした。実施方法は年度によって変わる可能性があるため、最新年度の学校案内を確認してください。
家庭でヘッドセットを買う必要がありますか?
調査のために家庭で一律に購入する必要はありません。学校側が配布品や学校保有の機材を準備・調整します。個人のイヤホンを使うかどうかや、機材を持参する必要があるかは、購入前に在籍校へ確認してください。
全国の中学生が同じ日に「話すこと」を受けますか?
2026年度は、500校程度の当日実施校と、それ以外の期間内実施校に分けて実施されました。全国のすべての中学校が同じ日に実施したわけではありません。日程は年度や学校によって異なるため、在籍校の案内を優先します。
読み書きや発話に困難がある場合は配慮を相談できますか?
時間延長、拡大文字、ルビ振り、別室、英語「話すこと」のスクリプト表示などが配慮例として示されています。ただし、全員へ同じ配慮が適用されるわけではありません。普段の支援内容や困っている操作を整理し、早めに学校へ相談してください。
まとめ:中学生のCBTテストと英語のPC操作
この記事では、中学生が受けるCBTテストの仕組みと、2026年度全国学力調査の中学校英語について解説しました。
- CBTは端末を使って回答する試験方式
画面上の選択、英文入力、音声再生、マイク録音などを行います。
- 2026年度は中学校英語がCBT
中学校の国語と数学は紙の筆記方式であり、全教科がCBTだったわけではありません。
- 英語「話すこと」はマイクへ録音
先生との1対1の面接ではなく、端末の指示に従って英語を話す口述式でした。
- タイピング速度自体を競う試験ではない
高速入力よりも、短い英文を正確に入力し、画面を確認できることが大切です。
- 日程・端末・機材は学校の案内を優先
「聞くこと」と「話すこと」では必要な機材が異なりますが、家庭で一律に購入する必要はありません。
- 必要な配慮は早めに相談する
困っている操作と、普段利用している支援を具体的に学校へ伝えます。
CBTへの準備は、特別な対策ソフトを使うことではありません。学校の端末で公式サンプルや事前確認に取り組み、画面移動、音声、マイク、英文入力に強い不安がないかを確かめることから始めましょう。
調査後の個人票や結果を家庭学習に生かす方法については、全国学力調査の結果を家庭学習に生かす方法も参考にしてください。
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