デジタル教科書と音声教材は、どちらもパソコンやタブレットなどで使う場合がありますが、目的・対象・提供方法が同じではありません。まず学校で利用しているデジタル教科書の教科や機能を確認し、読み上げや表示調整だけでは読む負担が十分に減らない場合は、子どもの具体的な困りごとを伝えて音声教材の利用を相談しましょう。
- デジタル教科書と音声教材の目的・対象・申請方法の違い
- 読み書きが苦手な子に必要な機能を考えるポイント
- 担任や学校へ相談するときに確認する内容と順番
注:利用できる教科、読み上げ機能、申請方法、対応端末は、学校・教育委員会・教科書発行者・音声教材の制作団体によって異なります。実際に利用するときは、2026年度の学校案内と各団体の公式情報を確認してください。
デジタル教科書と音声教材の違いを6項目で比較
デジタル教科書と音声教材は、どちらか一方が優れているという関係ではありません。利用する目的と対象となる子どもが異なるため、必要に応じて紙の教科書と併用したり、教科や学習場面で使い分けたりします。
学習者用デジタル教科書
検定済みの紙の教科書の内容をデジタル化し、学校の授業や学習で使用する教材です。提供される教科や使える機能は、学校・自治体・教科書発行者によって異なります。
音声教材
通常の紙の教科書にある文字や図形を認識することが困難な児童生徒等が、音声や表示調整などを利用して教科書の内容へアクセスしやすくする教材です。
目的・対象・機能・提供者・申請・費用の比較
| 比較項目 | 学習者用デジタル教科書 | 音声教材 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 紙の教科書と同じ内容を端末で表示し、授業や学習に活用する | 紙の教科書を読むことが困難な児童生徒等が、教科書の内容へアクセスしやすくする |
| 主な対象 | 学校や教育委員会の方針に基づき、対象学年・対象教科で利用する児童生徒 | 障害などにより紙の教科書を読むことが困難な児童生徒、日本語に通じない児童生徒等 |
| 主な機能 | 紙面表示、拡大、書き込み、検索、読み上げ、ルビ表示など。製品により異なる | 音声読み上げ、読み上げ箇所の強調、文字サイズ・色・行間の変更、音声ペンなど。教材により異なる |
| 提供者 | 教科書発行者。学校や教育委員会を通じてアカウントが提供されることが多い | 文部科学省の委託調査研究を受託した団体や、受託団体以外の音声教材制作団体 |
| 申請 | 学校や教育委員会が導入・登録を行う。家庭が個別に自由購入する仕組みとは限らない | 学校、教育委員会、保護者などが各団体の方法に従って申請する |
| 費用 | 学校への提供状況による。個人利用や追加教材の扱いは発行者ごとに異なる | 文部科学省の委託事業で制作される教材は原則無償。端末、通信、アプリ、音声ペン、送料などに費用がかかる場合がある |
文部科学省は、学習者用デジタル教科書を、紙の教科書の内容の全部を原則としてそのまま記録した電磁的な教材と説明しています。動画やアニメーションなどは、デジタル教科書そのものではなく、組み合わせて使う補助教材に当たる場合があります。詳しい制度上の位置づけは、文部科学省「学習者用デジタル教科書について」で確認できます。
どちらか一方だけを選ぶとは限らない
音声教材の提供を受けても、通常の紙の教科書が使えなくなるわけではありません。文部科学省のQ&Aでは、音声教材は検定教科書や拡大教科書と併せて使用する教材と説明されています。
実際の学習では、次のような使い分けが考えられます。
- 授業では紙の教科書を見ながら、読みにくい箇所だけ音声教材で確認する
- 学校ではデジタル教科書を使い、家庭では許可された音声教材で復習する
- 図や表は紙面で確認し、長い文章は音声を併用する
- 教科や単元によって、紙・デジタル・音声の使いやすい方法を変える
学校からデジタル教科書が提供された場合でも、子どもに必要な読み上げや表示調整が十分とは限りません。デジタル教科書があるかどうかではなく、実際に必要な機能が使えるかを確認することが大切です。
教材名より子どもの困りごとを確認する
「ディスレクシアだから音声教材」「タブレットがあるからデジタル教科書」という決め方では、子どもの困りごとと機能が合わないことがあります。
同じ「読みにくい」という訴えでも、必要な支援は一人ひとり異なります。
- 文字が小さく、形を見分けにくい
- 行を飛ばしたり、同じ行を繰り返したりする
- 読むことに時間がかかり、内容を考える前に疲れてしまう
- 音声で聞くと内容を捉えやすい
- 音声だけでは図・表・漢字の確認が難しい
- 操作が複雑だと、教材を開くこと自体が負担になる
必要な教材を考えるときは、診断名や教材名よりも、どの場面で、どのような負担が起きているかを整理しましょう。
デジタル教科書でできることと読み上げ機能の注意点
学習者用デジタル教科書には拡大や書き込み、読み上げなどの機能を備えた製品がありますが、すべての教科書で同じ機能を使えるわけではありません。学校で使用する教科書発行者とビューアを確認する必要があります。
紙の教科書内容をデジタル化した学校用教材
学習者用デジタル教科書は、市販のタブレット学習サービスとは異なり、学校で使用する検定済み教科書の内容をデジタル化した教材です。
2026年度の国の事業では、参加校を対象に、小学校5年生から中学校3年生までの英語と算数・数学のデジタル教科書が提供されます。ただし、実際に各学校へ提供される教科は、学校を所管する教育委員会へ確認する必要があります。
また、国の事業で提供されるデジタル教科書は、学校で採択されている紙の教科書と同じ発行者のものです。詳しくは、文部科学省「令和8年度 学習者用デジタル教科書が提供される学校の皆様へ」をご確認ください。
2026年度の対象教科や家庭学習での使い方については、2026年度のデジタル教科書で家庭学習はどう変わるかの記事でも詳しく解説しています。
読み上げ機能は製品や教科によって異なる
デジタル教科書には、次のような機能を利用できる製品があります。
- 文字や図の拡大
- 教科書への書き込みやマーカー
- ルビの表示
- 背景色や文字色の変更
- 本文の読み上げ
- 検索やページ移動
⚠️ デジタル教科書なら必ず全文を読み上げられるわけではありません
読み上げの有無や対象範囲は、教科書発行者、教科、ビューア、付属するデジタル教材によって異なります。学校で使っている教科書名だけでなく、ビューア名と利用できる機能まで確認してください。
特に注意したいのは、「音声が付いている」という説明だけでは、教科書本文の全文読み上げを意味しないことです。英語の発音音声、動画のナレーション、一部の例文だけが再生できる場合もあります。
学校へ確認するときは、次のように具体的に尋ねると情報を得やすくなります。
- 本文を最初から最後まで読み上げられますか
- 読み上げ中の文字は強調表示されますか
- 読み上げ速度を変更できますか
- 文字サイズ、行間、背景色を変更できますか
- 家庭でも同じアカウントを使えますか
家庭利用は学校のアカウントと運用方法を確認する
デジタル教科書は、学校へ発行されたアカウントを学校側が児童生徒へ割り当てて使用する形式が一般的です。そのため、家庭の端末から自由にアクセスできるとは限りません。
家庭で使用したい場合は、次の点を学校へ確認してください。
- 家庭からログインできるか
- 学校の端末を持ち帰れるか
- 家庭のパソコンやタブレットを使用できるか
- 対応するブラウザやOSに制限があるか
- オフラインでも利用できるか
- アカウント情報を家庭で管理してよいか
同じ自治体でも、学校の端末管理や持ち帰りルールによって利用方法が異なる場合があります。ほかの地域や学校の事例を、そのまま自分の学校にも当てはめないようにしましょう。
音声教材の対象者・機能・申請の基本
音声教材は、ディスレクシアなど特定の診断名だけで対象が決まる教材ではありません。紙の教科書を読むときの困難さを確認し、各制作団体の条件に沿って申請します。
対象はディスレクシアという診断名だけで決まらない
文部科学省が案内する音声教材は、発達障害等により一般的な紙の教科書に使われる文字や図形を認識することが困難な児童生徒のほか、肢体不自由などによりページをめくることが難しい児童生徒も対象になります。
通常学級に在籍している場合でも、紙の教科書を読むことに困難があれば利用できる可能性があります。特別支援学級や通級指導教室を利用していることが、一律の条件ではありません。
また、2024年7月19日の法改正施行後は、日本語に通じない児童生徒も提供対象に含まれています。対象や利用手続きの基本は、文部科学省「音声教材に関するQ&A」で確認できます。
医師の診断書や意見書は判断材料の一つですが、申請時に必ず必要とは限りません。文部科学省は、教員や特別支援担当者等の判断による申請も可能と説明しています。
ただし、希望すれば誰でも無条件に利用できるわけではありません。読みの困難さについて学校などによる確認が必要な団体や、申請フォームで具体的な状況の入力を求める団体もあります。
2026年度の文部科学省委託調査研究を受託するのは4団体
文部科学省の2026年度案内では、音声教材の効率的な制作方法等に関する委託調査研究を4団体が受託しています。ここでいう「4団体」は、国内にあるすべての音声教材制作団体の数ではありません。
| 受託団体・教材 | 主な特徴 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| マルチメディアデイジー教科書 | 文字・画像と音声を同期させ、読み上げている部分を強調表示できる | 対応教科書、再生方法、申請年度、利用端末 |
| AccessReading | DOCXやEPUB形式を使用し、端末やアプリの読み上げ・表示調整機能を活用する | 対応学年、ファイル形式、アプリ、機械音声の読み方 |
| ペンでタッチすると読める音声付教科書 | コードが印刷された紙面を専用の音声ペンでタッチして音声を再生する | 冊子の提供状況、音声ペンの費用、対応教科書 |
| UD-Book教科書・UD-Pdf教科書 | 読み上げや文字・行間・表示方法などを調整して利用できる | 対応OS、利用アプリ、申請時期、提供済み教科書 |
文部科学省のページでは、この4団体とは別に、調査研究受託団体以外の音声教材としてNPO法人エッジの「音声教材BEAM」も参考情報として紹介されています。「4団体」という数字だけで、利用できる音声教材が4種類しかないと判断しないようにしてください。
2026年度の受託団体と対応教科書一覧は、文部科学省「音声教材」で確認できます。掲載されていない教科書でも制作を受け付ける場合があるため、一覧にないことだけで利用できないと判断せず、各団体へ確認してください。
音声教材は単なる教科書の朗読データではない
音声教材という名称から、教科書を最初から最後まで人が朗読した音声ファイルを想像するかもしれません。しかし、実際の形式はさまざまです。
マルチメディアデイジー教科書では、教科書の文字や画像を表示しながら、読み上げている部分を強調できます。どの行を読んでいるか見失いやすい子どもにとって、文字と音声が同期することが重要な場合があります。
AccessReadingは、端末やアプリに備わる音声合成機能を利用します。文字サイズや色、行間などを変更しやすい一方で、固有名詞などを機械音声が読み間違える場合があります。教材の特徴だけでなく、その子どもが修正や操作を負担なく行えるかも確認が必要です。
音声ペンを使う教材は、紙面を見ながら聞きたい場所へ触れられる点が特徴です。タブレットの画面操作が負担になる子どもでも使いやすい可能性がありますが、専用機器の準備や費用を確認しなければなりません。
申請時期・申請者・端末・費用は団体ごとに確認する
文部科学省によると、音声教材の申請は各団体で随時受け付けられています。年度途中から使い始めたり、試した教材が合わない場合に別団体の教材を申請したりすることも可能です。
ただし、まだ制作されていない教科書は提供までに時間がかかる場合があります。新年度の授業開始に合わせたい場合は、学校で使用する教科書が分かり次第、早めに相談する方がよいでしょう。
文部科学省の委託調査研究で制作される教材は原則無償ですが、次の費用が発生する可能性があります。
- パソコンやタブレットの準備費用
- 通信料
- 再生アプリの購入費用
- 音声ペンなどの専用機器代
- ⅭⅮや冊子などの送料・実費
団体によっては、配信方法や申請者の区分により、冊子や機器が実費になる場合もあります。「音声教材はすべて無料」とは考えず、子どもが実際に利用できる環境を整えるまでの費用を確認してください。
子どもの困りごとから必要な機能を考える
教材を選ぶときは、診断名ではなく、文字の見え方、読む速さ、行の追いやすさ、内容理解、端末操作の負担を分けて確認します。
文字の見え方や行の追いにくさを確認する
読むときの負担を整理すると、必要な機能を学校へ具体的に伝えやすくなります。
学校へ相談する前に確認したい読み方の様子
- 文字を大きくすると読みやすくなるか
- 文字色や背景色を変えると見やすくなるか
- 行間を広げると行を飛ばしにくくなるか
- 読んでいる部分を強調すると位置を追いやすいか
- 紙より画面の方が読みやすいか、反対に疲れやすいか
- 音声と文字を同時に使うと内容を捉えやすいか
- 図や表は紙面で見た方が理解しやすいか
- 操作に時間がかかり、学習へ集中できなくなっていないか
たとえば、文字を大きくするだけで読みやすくなる場合は、デジタル教科書の拡大機能で負担を軽減できる可能性があります。一方、行を頻繁に見失う場合は、読み上げ箇所の強調表示や、一度に表示する文章量を減らす機能が役立つかもしれません。
必要な機能は教科によって変わることもあります。国語の長文では読み上げが必要でも、算数では式や図を自分のペースで確認した方が理解しやすい場合があります。
読む速さと内容理解を分けて考える
読むことに時間がかかる状態と、文章の内容を理解することが難しい状態は、必ずしも同じではありません。
文字を読む作業へ多くの力を使っている子どもは、音声を併用することで、内容を考える余裕が生まれる可能性があります。しかし、語句の意味や文章構造の理解に課題がある場合は、音声に変えるだけで理解できるとは限りません。
試すときは、次の二つを分けて見ます。
- 読む負担:時間、疲労、読み間違い、行飛ばしが減ったか
- 内容理解:読んだ内容を説明したり、問いに答えたりしやすくなったか
読み上げを使うことで速く進めるようになっても、内容をほとんど覚えていない場合は、速度を遅くする、文章を短く区切る、図と一緒に確認するなどの調整が必要です。
試用時は「操作できたか」だけで判断しない
端末を操作して音声を再生できたとしても、それだけで子どもに合っているとは判断できません。数回試し、学習の負担がどのように変化したかを確認します。
試用前後で、次の項目を記録しておくと学校へ説明しやすくなります。
- 同じ分量を読むのにかかった時間
- 途中で読むのをやめた回数
- 行を飛ばしたり、読み直したりした回数
- 読んだ後に内容を説明できたか
- 目や頭の疲れを訴えたか
- 一人で教材を開き、必要な機能を使えたか
- 本人が紙・画面・音声のどれを使いやすいと感じたか
これは家庭で診断するためのチェックではありません。子どもの様子を学校と共有し、必要な教材や支援を検討するための記録として使用します。
学校へ相談するときの伝え方と確認手順
学校へは教材名だけを伝えるのではなく、子どもが教科書を読むときに起きている具体的な困りごとを共有します。その後、現在使える機能を確認し、必要に応じて音声教材を試します。
教材名を指定する前に具体的な困りごとを伝える
最初から「音声教材を申請してください」と依頼するより、子どもがどの場面で困っているかを伝える方が、学校側も必要な支援を検討しやすくなります。
たとえば、次のように具体化します。
- 国語の教科書1ページを読むのに20分以上かかる
- 文章の途中で読む行を何度も見失う
- 音声で聞いた後は内容を説明できるが、自分で読むと内容が残りにくい
- 文字を拡大すると読みやすいが、一度に見える範囲が狭くなる
- タブレットの操作が多いと学習前に疲れてしまう
時間や回数は、実際に確認できた範囲で伝えます。正確に測っていない場合は、無理に数値を作らず、「宿題の文章を読むだけで長い時間がかかる」など、観察した事実を説明してください。
担任から校内の担当者へ確認してもらう
相談先は、まず担任で問題ありません。必要に応じて、特別支援教育コーディネーター、通級指導担当、ICT担当、管理職、教育委員会などへつないでもらいます。
学校でどの担当者が手続きを行うかは、自治体や教材によって異なります。保護者が直接申請できる教材でも、読みの困難さや採択教科書を確認するため、学校への相談が必要になる場合があります。
教科書名・機能・申請方法を順番に確認する
学校へは、次の順番で確認すると情報を整理しやすくなります。
- 使用している教科書を確認する
教科、学年、教科書発行者、書名を確認します。 - デジタル教科書の提供状況を確認する
対象教科、ビューア、ログイン方法、家庭利用の可否を確認します。 - 利用できる機能を確認する
本文読み上げ、ルビ、拡大、背景色、行間、強調表示などを確認します。 - 実際に試せるか確認する
学校のデジタル教科書や各団体のサンプルを利用し、負担の変化を見ます。 - 音声教材の候補を検討する
必要な機能、端末、操作方法、対応教科書を比較します。 - 申請者と必要情報を確認する
学校、教育委員会、保護者の誰が申請するか、学校確認や提出書類が必要かを確認します。
文部科学省は、音声教材の申請方法を団体別に案内しています。最新の申請先は、文部科学省「音声教材の提供申請について」から確認してください。
市販タブレット教材・電子書籍との違いと注意点
学校のデジタル教科書、民間のタブレット教材、一般の電子書籍・オーディオブックは、いずれも端末や音声を使う場合がありますが、目的と教科書への対応範囲が異なります。
市販タブレット教材は学校のデジタル教科書とは別サービス
スマイルゼミなどの市販タブレット教材は、問題演習、解説動画、学習計画、採点などを提供する民間の学習サービスです。学校で採択された検定教科書をそのままデジタル化した学習者用デジタル教科書とは、目的も提供方法も異なります。
市販教材に音声読み上げや動画解説があっても、学校で使っている教科書本文の読み上げに対応しているとは限りません。学校の授業と同じページや文章へアクセスする必要がある場合は、デジタル教科書または対応する音声教材を確認します。
デジタル教科書、市販タブレット教材、塾の役割については、デジタル教科書時代の家庭学習とタブレット教材・塾の使い分け方も参考にしてください。
電子書籍やオーディオブックも学校用音声教材とは異なる
一般向けの電子書籍やオーディオブックは、読書を楽しむためには便利ですが、学校用音声教材と同じものではありません。
学校の学習で使うには、使用中の教科書と文章、図、ページ構成、学年、教科書発行者などが対応している必要があります。一般のオーディオブックに同じ題材が収録されていても、学校の教科書と文章や範囲が異なる場合があります。
音声だけでは、漢字の形、グラフ、地図、数式、写真、注釈などを確認できません。必要に応じて紙面や画像と併用できる教材を選ぶことが大切です。
年度・教科書発行者・対応端末を毎年確認する
教科書は、進級、学校の変更、教科書改訂、採択変更などにより変わることがあります。前年に使っていた音声教材を、そのまま翌年度も使えるとは限りません。
年度が変わるときは、次の項目を改めて確認します。
- 新年度に使用する教科書の発行者と書名
- 音声教材が新しい教科書へ対応しているか
- 年度ごとの継続申請が必要か
- 前年のデータを削除する必要があるか
- 学校端末やOSの変更後も利用できるか
- アプリやビューアの利用条件が変わっていないか
年度ごとの申請やデータ削除の条件も団体ごとに異なります。過去年度の記事や一覧だけで判断せず、利用する年度の公式ページを確認してください。
よくある質問(FAQ)
デジタル教科書には必ず読み上げ機能がありますか?
必ずあるとは限りません。本文を読み上げられる製品もありますが、教科書発行者、教科、ビューア、付属教材によって機能や対象範囲が異なります。学校で使っている製品名と機能を確認してください。
診断書がなくても音声教材を利用できますか?
文部科学省は、医師の診断書や意見書は申請に必ず必要なものではなく、教員や特別支援担当者等の判断による申請も可能と案内しています。ただし、団体ごとに学校確認や読みの状況に関する情報を求められる場合があります。
通常学級に在籍していても音声教材を使えますか?
紙の教科書を読むことに困難がある場合は、在籍している学級にかかわらず利用できる可能性があります。特別支援学級への在籍や通級の利用だけで対象が決まるわけではありません。
家庭のパソコンやタブレットでも利用できますか?
複数の端末で利用できる音声教材もあります。ただし、ダウンロード方法や対応OS、アプリは各団体へ確認してください。対象児童生徒以外が自由に利用できる状態にしないなど、データの管理にも注意が必要です。
年度の途中からでも音声教材を利用できますか?
文部科学省のQ&Aでは、年度途中からでも随時利用できると案内されています。ただし、未制作の教科書は完成までに時間がかかる場合があるため、必要性が分かった段階で早めに相談しましょう。
デジタル教科書と音声教材を両方使えますか?
学校の運用や端末環境に応じて、併用を検討できます。どちらか一方へ統一するのではなく、教科、単元、学習する場所、子どもの負担に合わせて使い分ける方法があります。
日本語指導が必要な子どもも音声教材を利用できますか?
2024年7月19日の法改正施行後は、日本語に通じない児童生徒も提供対象に含まれています。実際の申請区分や提供条件は制作団体ごとに確認してください。
まとめ:デジタル教科書と音声教材は目的と必要機能で使い分ける
この記事では、デジタル教科書と音声教材の違い、読み書きが苦手な子どもに必要な機能、学校への相談手順を解説しました。
- デジタル教科書と音声教材は同じものではないデジタル教科書は学校の教科書として使う教材、音声教材は紙の教科書を読むことが困難な児童生徒等のアクセスを支える教材です。
- デジタル教科書に必ず全文読み上げがあるとは限らない教科書発行者、教科、ビューア、付属教材によって機能が異なるため、学校で実際に使える機能を確認します。
- 2026年度の文部科学省委託調査研究の受託団体は4団体受託団体以外にも音声教材を制作・提供する団体があります。各教材で機能、申請方法、端末、費用が異なります。
- 診断書は一律の必須条件ではない読みの困難について教員や特別支援担当者等が確認し、申請できる場合があります。ただし、希望者全員が無条件で利用できるわけではありません。
- 教材名より具体的な困りごとを学校へ伝える読む時間、行飛ばし、疲れ、音声で聞いたときの理解、操作負担などを整理すると、必要な支援を検討しやすくなります。
まずは、在籍校で使用している教科書、デジタル教科書の対象教科、読み上げや表示調整の機能を確認してください。そのうえで負担が残る場合は、子どもの具体的な様子を担任へ伝え、音声教材のサンプル利用や申請方法を相談しましょう。





