2027年度の全国学力・学習状況調査は、小学校と中学校の教科調査を含めて全面的にCBTへ移行することとされています。対象は小学校6年生と中学校3年生で、小学校は国語・算数、中学校は国語・数学をMEXCBTで受けます。家庭では高速タイピングを目指すより、画面の移動、選択、スクロール、短い文字入力と修正に慣れておくことが実用的な準備です。
- 2027年度の対象学年・対象教科・実施日程
- 全国学力調査のCBTで確認しておきたい基本操作
- タイピングや学校端末に不安がある場合の準備方法
情報確認日:2026年7月13日。対象教科や日程は文部科学省の2026年6月改定資料に基づきます。学校ごとの詳しい実施方法は、今後の実施要領や学校からの案内も確認してください。
2027年度の全国学力調査は小中学校とも全面CBT化へ
文部科学省は、2027年度(令和9年度)に全国学力・学習状況調査を全面的にCBTへ移行することとしています。CBTとは「Computer Based Testing」の略で、コンピューターやタブレットを使って問題に答える方式です。
教科、調査時間、実施日程などの詳しい方針は、文部科学省の「今後の全国学力・学習状況調査のCBTでの実施について(令和8年6月改定)」で確認できます。
対象は小学校6年生と中学校3年生
全国学力・学習状況調査の悉皆調査は、原則として国・公・私立学校の小学校6年生と中学校3年生を対象に実施されます。
悉皆調査とは、一部の学校だけを抽出するのではなく、対象となる学年の児童生徒を広く対象とする調査です。義務教育学校や特別支援学校などにも、それぞれ対応する対象学年があります。
2027年度は教科調査に加え、学習習慣や生活状況などを尋ねる児童生徒質問調査もMEXCBTで実施されます。
対象教科は小学校の国語・算数、中学校の国語・数学
2027年度にCBTで実施する教科と調査時間は、次のとおりです。
| 対象 | 対象教科 | 調査時間 |
|---|---|---|
| 小学校6年生 | 国語・算数 | 各45分程度 |
| 中学校3年生 | 国語・数学 | 各50分程度 |
「全面CBT化」という表現を見ると、理科や英語を含むすべての教科を毎年実施するように感じるかもしれません。
ここでいう全面移行は、2027年度に実施する国語、算数・数学と児童生徒質問調査を、すべてMEXCBTで行うという意味です。
⚠️ 全教科を毎年実施するという意味ではありません
2027年度の教科調査は、小学校が国語・算数、中学校が国語・数学です。2028年度以降の教科や実施方法は、2027年度の実施状況などを踏まえて柔軟に設計するとされています。公表されていない教科や形式を予測して準備する必要はありません。
小学校と中学校をそれぞれ4日間に分けて実施
紙の調査では全国同日一斉の実施が基本でしたが、2027年度のCBTでは、サーバーや学校のネットワークへのアクセスを分散するため、複数の日に分けて実施します。
| 対象 | 当日実施期間 | 予備日 |
|---|---|---|
| 中学校 | 2027年4月13日~16日 | 4月19日~21日 |
| 小学校 | 2027年4月20日~23日 | 4月26日~28日 |
当日実施期間と予備日の後には、欠席や端末・ネットワークのトラブルなどで受けられなかった児童生徒のための後日実施期間も設けられる予定です。
国語、算数・数学の公開問題と正答例などは、それぞれの予備日の最終日夕刻を目安に公表される予定です。学校ごとの実施日は、学校から配布される案内で確認してください。
CBT化でテストの受け方はどう変わる?
CBT化によって最も分かりやすく変わるのは、問題を読む場所と解答を記入する方法です。紙の問題冊子と解答用紙を中心とした方式から、学校の端末に表示された問題を読み、画面上で選択や文字入力を行う方式へ変わります。
学校の1人1台端末とMEXCBTを使用する
調査では、GIGAスクール構想によって学校に整備された1人1台端末とネットワークを使用します。
MEXCBT(メクビット)は、文部科学省が開発・展開している公的なCBTプラットフォームです。全国学力調査のほか、授業や家庭学習、自治体独自の学力調査などにも活用されています。
仕組みの概要は、文部科学省の「文部科学省CBTシステム(MEXCBT)について」で確認できます。
全国学力調査では学校の1人1台端末を使用するため、家庭で同じ機種のパソコンやタブレットを購入することは、CBTを受けるための条件ではありません。
選択式だけでなく文字を入力する問題もある
CBTでは、画面上の選択肢をクリックまたはタップする問題だけでなく、キーボードなどで答えを入力する問題もあります。
文部科学省の方針では、短答式・記述式問題について、児童生徒自身がキーボード操作などによる文字入力で解答するとされています。
ただし、CBTはパソコン操作の速さだけを測る試験ではありません。国語、算数、数学で学んだ内容について考え、答えを端末へ正しく入力することが中心です。
CBTでも紙を併用する場合がある
全面CBT化といっても、調査中に紙を一切使わなくなるとは限りません。
国語の縦書き形式、長い文章、複数の資料を扱う問題などでは、MEXCBTの機能だけでなく、紙の追加資料やメモ用紙を組み合わせることも検討されています。
「すべて画面だけで読んで、画面上だけで計算しなければならない」と決めつける必要はありません。紙やメモ用紙の扱いは、実際の調査で学校から案内される方法に従います。
全国学力調査で確認しておきたい基本操作
家庭で準備する場合は、試験問題を先取りするのではなく、答えを入力するための基本操作に慣れているかを確認します。
2027年度の具体的な画面や操作を確認するときは、2026年度秋頃に各学校で取り組める環境を整備する方向で検討されているサンプル問題と、学校からの説明を優先してください。
CBT前に確認したい基本操作
- 画面上のボタンや選択肢を選べる
- 長い文章や資料を上下にスクロールできる
- 問題番号や解答状況を画面上で確認できる
- 入力欄を選び、日本語や数字を入力できる
- 入力を間違えたときに削除・修正できる
- 入力した文章を画面上で読み直せる
- 音声問題では再生や音量の操作を確認できる
選択・画面移動・スクロール
画面上には、問題文、図表、資料、選択肢、解答欄などが表示されます。1画面にすべて収まらない場合は、画面をスクロールして続きを読む必要があります。
マウスを使う端末ではポインターを動かしてクリックします。ノートパソコンではタッチパッド、タブレットでは画面を直接タップすることもあります。
スクロールした先の文章や選択肢を読み飛ばしやすい場合は、画面の下まで確認してから答える練習をしておくとよいでしょう。
短い文字や文章の入力と修正
文字入力では、速く打つことだけでなく、問題で求められている言葉を正確に入力し、間違いを修正できることが重要です。
家庭では、次のような簡単な確認から始められます。
- 入力欄をクリックまたはタップする
- 教科書や身近な文章から短い文を入力する
- 1文字間違えた部分を削除して直す
- 入力後に最初から読み直す
学校端末での文字入力方法が分からない場合は、学校配布タブレットでタイピングを練習する方法も参考にしてください。
音声再生と録音は分けて考える
2027年度の中学校国語では、一部で音声を活用した出題を行うこととされています。該当する問題では、音声の再生や音量などの操作を確認する可能性があります。
一方、音声を聞く操作と、自分の声を録音して答える操作は別です。
2026年度の中学校英語「話すこと」では録音による解答がありますが、2027年度の国語・算数・数学で録音が共通して必要になるとは公表されていません。
中学校英語の操作については、中学英語CBTの音声再生・録音方法で確認できます。
タイピングが遅くても大丈夫?家庭での準備目安
文部科学省の2026年6月改定資料では、短答式・記述式問題をキーボードなどで入力する方針が示されていますが、「1分間に何文字以上」といった全国一律の速度基準は示されていません。
そのため、高速タイピングの習得だけを優先する必要はありません。ただし、入力や修正に長い時間がかかると、問題を考えたり見直したりする時間が少なくなる可能性はあります。
⚠️ 高速タイピングだけを目標にしない
長い文章を速く入力することより、短い答えを入力し、間違いを直して読み直せることを先に確認します。国語や算数・数学の学習時間を大きく減らしてまで、入力速度だけを上げる必要はありません。
まずは短い入力を正確にできるか確認する
家庭では、短い文章を入力し、自分で誤字に気づいて修正できるかを確認します。
速さを測る場合も、全国学力調査の合格ラインとしてではなく、現在の入力状況や練習後の変化を見るための参考として使いましょう。
入力速度の測り方は、小学生のタイピング速度を測る方法で解説しています。記事内の数値は練習状況を見る目安であり、全国学力調査の基準ではありません。
苦手な操作を一つ選んで短時間確認する
操作に不安がある場合でも、すべてを一度に練習する必要はありません。
- 文字入力が苦手なら、短い文の入力と修正を確認する
- タッチパッドが苦手なら、ボタンや選択肢を選ぶ練習をする
- 画面を読み飛ばしやすいなら、最後までスクロールして確認する
- 日本語入力の切り替えで迷うなら、学校端末で切り替え方法を確認する
苦手な操作を一つに絞ると、短時間でも取り組みやすくなります。
2026年度秋頃の公式サンプル問題を優先する
文部科学省は、児童生徒や教師が端末を使った調査へ円滑に移行できるよう、2026年度秋頃に、各学校で2027年度向けのサンプル問題へMEXCBT上で取り組める環境を整備する方向で検討しています。
サンプル問題は、出題内容を暗記するためではなく、画面の見方や解答操作へ慣れるために活用します。
公開後の問題情報は、MEXCBT運用支援サイトの問題一覧や学校からのお知らせで確認してください。
Chromebook・iPad・Windowsの違いは気にしすぎなくてよい
学校の1人1台端末には、Chromebook、iPad、Windowsパソコンなどが使われています。学校や自治体によってOS、画面の大きさ、キーボードの有無、ポインターの動かし方が異なります。
文部科学省は、どの端末で調査を実施しても調査の趣旨が損なわれず、問題なく解答できるように、問題の作成や配信時に留意する必要があるとしています。
端末ごとに操作方法は少し異なる
たとえば、画面を動かす方法には次のような違いがあります。
- ChromebookやWindows:タッチパッドやマウスを使うことが多い
- iPad:画面を指でタップ・スワイプすることが多い
- 外付けキーボード付き端末:キーボードと画面タッチを組み合わせる場合がある
操作方法は異なっても、問題を読む、選択肢を選ぶ、必要な答えを入力するという目的は共通しています。
家庭の端末を学校と同じ機種にそろえる必要はない
家庭のパソコンがWindowsで、学校がChromebookやiPadだったとしても、CBT化だけを理由に同じ機種へ買い替える必要はありません。
家庭の端末で文章入力の基礎を練習することはできますが、調査当日のボタン配置や詳しい操作方法は、学校端末と公式サンプル問題で確認するのが確実です。
学校端末を家庭へ持ち帰れるか、家庭からMEXCBTを利用できるかは、学校や自治体の運用によって異なります。学校の利用ルールに従ってください。
学校の事前確認を優先する
調査前には、学校で端末やネットワーク、解答操作などを確認する機会が設けられると考えられます。
家庭で異なる操作を覚えさせるより、学校から案内される次の内容を優先しましょう。
- 使用する端末とキーボード
- 問題画面の移動方法
- 文字入力と修正の方法
- 音声を使う場合のイヤホンや音量
- 端末に問題が起きたときに先生へ知らせる方法
読み書きや端末操作に困難がある場合の確認方法
読み書きに困難がある、画面上の文章を追いにくい、文字入力に通常より長い時間がかかるといった場合は、繰り返し練習するだけで対応しようとせず、普段の学習状況を学校へ伝えることが大切です。
拡大文字・ルビ振り・時間延長などの対応がある
文部科学省のCBT実施方針では、特別な配慮が必要な児童生徒に向けて、次の問題プログラムを作成して対応するとされています。
- 視覚障害のある児童生徒などを対象とした拡大文字問題
- 日本語指導が必要な児童生徒や読みに困難がある児童生徒を対象としたルビ振り問題
- 肢体不自由や病弱などがある児童生徒を対象とした時間延長問題
点字については、当面は紙の点字問題を使った実施を継続しながら、ICT環境やCBTシステムによる対応を検討するとされています。
端末を使った解答への支援も検討される
児童生徒一人ひとりの障害の状態や教育的ニーズに応じ、人的な支援や入出力支援装置の利用など、端末を使用した解答への支援を行うことも考えられています。
ただし、配慮の内容や利用条件は一律ではありません。学校の判断や、その年度の実施要領などに基づいて決まります。
困っている操作を具体的に整理する
学校へ相談するときは、「パソコンが苦手です」だけでなく、どの場面で困るのかを具体的に伝えると状況を共有しやすくなります。
- 長い文章を画面で追うと、読んでいる場所が分からなくなる
- 文字入力に時間がかかり、考えた答えを入力し終えにくい
- 問題を移動すると、どこまで答えたか分からなくなる
- 小さい文字やボタンを見分けにくい
- 音声と画面の情報を同時に確認することが難しい
- 普段使っている入力支援機能や補助機器がある
普段の支援内容と学校の案内を早めに確認する
普段から拡大表示、ルビ、別室、時間延長、代筆、入力支援機器などを利用している場合は、全国学力調査でどのように対応するかを早めに学校へ確認します。
ここで紹介した配慮を必ず利用できるとは限りません。子どもの状況と普段の支援内容を学校へ伝え、個別に確認してください。
よくある質問(FAQ)
2027年度から英語や理科も毎年CBTで実施されますか?
2027年度の教科調査は、小学校が国語・算数、中学校が国語・数学です。「全面CBT化」は、その年度に実施する教科調査と児童生徒質問調査をすべてMEXCBTで行うという意味で、英語や理科を含むすべての教科を毎年実施するという意味ではありません。
タイピングが遅いと点数が下がりますか?
文部科学省の2026年6月改定資料には、1分間に何文字以上という全国一律の速度基準は示されていません。ただし、入力や修正に時間がかかると、問題を考えたり見直したりする時間が少なくなる可能性があります。高速入力より、短い答えを正確に入力して修正できることを先に確認しましょう。
家庭でCBT専用ソフトを用意する必要がありますか?
市販のCBT対策ソフトを用意する必要はありません。学校端末、学校から案内される操作練習、文部科学省の公式サンプル問題を優先します。家庭では短い文章の入力や画面のスクロールなど、基本操作を確認できます。
iPadとChromebookでは操作が違いますが問題ありませんか?
学校や自治体によって使用端末は異なります。文部科学省は、OSや画面サイズが異なる端末でも問題なく解答できるように、問題作成や配信時に留意する方針です。家庭の端末を学校と同じ機種にそろえる必要はありません。
読み書きや端末操作に困難がある場合は相談できますか?
拡大文字、ルビ振り、時間延長などの問題プログラムや、個別の状況に応じた支援が示されています。利用できる内容は一律ではないため、普段困っている場面と現在受けている支援を整理し、早めに学校へ確認してください。
まとめ:2027年度の全国学力調査CBT化とPC操作準備
2027年度の全国学力調査で公表されている内容と、家庭での準備を整理しました。
- 2027年度に全面CBTへ移行
小学校・中学校の教科調査と児童生徒質問調査をMEXCBTで実施することとされています。
- 対象は小学校6年生と中学校3年生
小学校は国語・算数、中学校は国語・数学が対象です。
- 小学校と中学校で日程を分散
それぞれ4日間の当日実施期間と予備日が設定されています。
- 高速タイピングだけを目標にしない
選択、スクロール、短い文字入力、削除・修正、読み直しなどの基本操作を優先します。
- 家庭用端末を買い替える必要はない
学校端末と公式サンプル問題、学校から案内される操作方法を優先してください。
- 困難がある場合は具体的な場面を学校へ伝える
配慮の内容は個別に異なるため、普段利用している支援と困っている操作を早めに共有します。
まずは学校端末で、選択肢を選ぶ、画面をスクロールする、短い文章を入力して直すという操作を確認してみましょう。
これらを大きな負担なく行える場合は、端末操作だけを理由に追加の教材や新しいパソコンを用意する優先度は高くありません。調査前には、文部科学省の最新情報と学校から配布される案内を確認してください。





