ディスレクシアや読み書きに困難がある子どもの合理的配慮は、診断名だけで一律に決まるものではありません。子どもが学校生活のどの場面で、何に困り、学習へどのような影響が出ているかを学校と共有し、本人に合う方法を個別に検討します。まずは「タブレットを使わせてほしい」と手段だけを伝えるのではなく、実際に起きていることを具体的に整理してみましょう。
- 読み上げ、文字の拡大、キーボード入力など、学校で検討できる配慮の例
- 担任や特別支援教育コーディネーターへ相談するときの伝え方
- 希望した配慮の実施が難しい場合や、入試に備えるときの確認事項
ディスレクシアの合理的配慮と学校への相談方法を、授業・宿題・校内テストなどの場面に分けて説明します。配慮を一方的に要求するのではなく、学校と一緒に試し、効果を確認しながら調整する流れが分かります。(専門知識は不要です!)
ディスレクシアの合理的配慮は個別の困りごとから考える
合理的配慮とは、障害の特性や読み書きの困難によって、学習や学校生活への参加に障壁が生じている場合に、その障壁を減らすための変更や調整を個別に検討することです。
文部科学省の対応指針では、合理的配慮は、本人の状態やその場面に応じて個別に講じるものとされています。保護者が希望した方法をそのまま実施することが難しい場合も、学校側が理由を説明し、代替となる方法を含めて建設的に話し合うことが重要です。詳しくは、文部科学省の障害者差別解消に関する対応指針で確認できます。
2024年4月1日からは、改正障害者差別解消法により、私立学校を含む民間事業者にも合理的配慮の提供が義務化されています。公立・私立を問わず、特定の診断名があれば希望した対応がすべて自動的に認められるという意味ではありません。制度の経緯は、文部科学省の合理的配慮研究事業リーフレットでも確認できます。
⚠️ 配慮例は「自動的に認められる項目一覧」ではありません
読み上げ、タブレット入力、時間の調整などは、読み書きの困難に対して検討できる方法の例です。子どもの困りごと、授業やテストの目的、学校の環境などを確認し、本人に合う方法を話し合って決めます。
合理的配慮は全員に同じ方法を適用する制度ではない
同じディスレクシアという診断名があっても、困る場面や有効な方法は子どもによって異なります。
例えば、文字を見て正確に読むことには時間がかかっても、読み上げられた文章なら内容を理解できる子がいます。一方で、文字を拡大する、行間を広げる、背景色を変更すると読みやすくなる子もいます。
そのため、配慮を考えるときは「ディスレクシアだから何をしてもらえるか」ではなく、次の順番で整理することが大切です。
- どの授業や活動で困っているか
- 具体的に何が難しいか
- 学習や学校生活にどのような影響が出ているか
- 方法を変えると、どのような変化があるか
発達障害や学習障害の基本的な特性を先に確認したい場合は、発達障害・LDの基本的な特性を解説した記事も参考にしてください。
診断書がなくても、まず困りごとの相談はできる
医療機関で診断を受けていない段階でも、学校で起きている困りごとを担任へ伝え、支援方法を相談することはできます。
文部科学省のQ&Aでは、音声教材の申請に医師の診断書や意見書は必ずしも必要ではなく、「読み」などに困難がある児童生徒について、教員や特別支援担当者等の判断により申請することも可能とされています。音声教材については、文部科学省の音声教材案内と音声教材に関するQ&Aを確認できます。
ただし、これは音声教材の申請についての説明です。すべての合理的配慮、入学試験、資格試験について「診断書は必要ない」と一般化することはできません。
希望する配慮の内容や手続によっては、次の資料を求められる場合があります。
- 医師の診断書や意見書
- 心理検査や読み書きに関する検査の結果
- 学校で見られた困難の記録
- これまでに試した支援と、その効果の記録
診断書を用意してからでなければ相談できないと考えず、まず学校へ状況を共有し、どのような確認や資料が必要かを相談すると進めやすくなります。
配慮は学習目標を自動的に下げるものではない
合理的配慮は、学習内容を簡単にしたり、成績を有利にしたりするためのものではありません。子どもが本来持っている理解や知識を、読み書きの困難だけで十分に示せない場合に、学習や回答の方法を調整するものです。
例えば、社会科の知識を確認するテストで、問題文の読み上げやキーボード入力を利用しても、社会科として問われている内容が変わるとは限りません。
一方、漢字の書き取りや音読など、読むこと・書くこと自体が評価対象になっている活動では、同じ方法をそのまま利用できない場合があります。何を学び、何を評価する活動なのかを学校と確認する必要があります。
読む・書く・テストの困りごと別に考えられる配慮
配慮を相談するときは、方法の名称だけを並べるよりも、現在の困りごとと対応させて考えることが大切です。
読むことが負担な場合
音声読み上げ、音声教材、文字の拡大、フォントや行間の調整、ルビ、電子データなどを検討します。
書くことが負担な場合
キーボード入力、音声入力、板書の撮影、プリント配布、書く量や提出方法の調整などを検討します。
テストで力を示しにくい場合
問題文の読み上げ、拡大印刷、入力方法の変更、時間や場所の調整などを、テストの目的に応じて検討します。
文部科学省掲載の読み書き支援資料では、音声読み上げ、音声教材、キーボード入力、音声入力などを試し、子どもの理解や書く状況がどのように変化するかを確認する考え方が示されています。詳しくは、学校現場におけるアセスメントと読み書き支援体制の整備をご確認ください。
読むことが負担な場合の配慮例
文章を読むのに時間がかかる、行を飛ばしてしまう、読んだ内容を理解する前に疲れてしまう場合は、読み方や教材の表示方法を変えることで負担が軽くなる可能性があります。
| 見られる困りごと | 考えられる配慮例 | 確認したい変化 |
|---|---|---|
| 問題文を読むのに時間がかかる | 読み上げ、音声教材、電子データ | 内容を理解し、解答まで進める量が増えるか |
| 小さい文字や詰まった文章を読みづらい | 文字の拡大、行間の調整、フォントの変更 | 読み間違いや目の疲れが減るか |
| 読む場所を見失いやすい | ハイライト、読む範囲を区切る、定規などの補助 | 行飛ばしや読み直しが減るか |
| 漢字で止まり、文章全体を理解できない | ルビ、語句の読み方の補助、読み上げ | 文章全体の意味をつかみやすくなるか |
読み上げを使うことが有効かどうかは、実際に試したときの理解度や疲れ方を見て判断します。読み上げを利用すると必ず成績が上がるとは限らず、教材や教科によって効果が異なることもあります。
書くことや板書が負担な場合の配慮例
板書を書き写すことに集中しすぎて先生の説明を聞けない、考えはまとまっていても文字で書くことに時間がかかる場合は、記録方法や回答方法を検討します。
- 板書を撮影する
- 授業内容を印刷したプリントで受け取る
- 友達や教師のノートを参考にする
- キーボードで入力する
- 音声入力を利用する
- 作文やレポートを電子データで提出する
- 書く量や提出方法を調整する
ただし、「書くことが大変だから、書く活動をすべてなくす」と決めるのではありません。学習目標に必要な書く練習と、授業内容を理解するための記録作業を分けて考える必要があります。
例えば、漢字の習得を目的とする時間には手書きを残し、理科の観察結果を説明する活動ではキーボード入力を試すなど、目的に合わせて方法を分けることが考えられます。
宿題・小テスト・定期テストで考えられる配慮例
授業中だけでなく、宿題やテストでも読み書きの負担が大きくなる場合があります。
宿題では、課題を終えるまでに極端に長い時間がかかる、書くことだけで疲れて内容の復習ができないといった状況を確認します。そのうえで、課題量、提出方法、回答方法などを相談します。
校内テストでは、次のような方法が検討対象になる場合があります。
- 問題用紙を拡大する
- 問題文を読み上げる
- キーボードやタブレットで回答する
- 試験時間や休憩の取り方を調整する
- 集中しやすい場所や別室で受ける
- 記述内容を口頭でも確認する
実際にどの方法を利用できるかは、本人の必要性、テストで確認する能力、学校の実施方法などによって異なります。日常の授業で使っている方法が、そのまま校内テストでも利用できるとは限らないため、事前に確認してください。
学校へ相談する前に子どもの困りごとを整理する
学校へ相談するときは、希望する機器や配慮の名称よりも先に、現在起きている事実を整理します。
「タブレットを使わせてください」だけでは、なぜ必要なのか、どの場面で使うのか、何が改善すると考えているのかが伝わりにくくなります。
次のように、困りごとと学習への影響を具体的に伝えると、学校側も状況を確認しやすくなります。
伝え方の例
板書を書き写すことに時間がかかり、書いている間に先生の説明を聞けなくなっています。自宅では、授業内容のプリントを見ながら説明すると理解しやすい様子があります。学校でも試せる記録方法があるか相談したいです。
「希望する手段」より先に、起きている事実を書く
相談前には、次の項目を簡単にメモしておきます。
学校への相談前に整理すること
- 困るのは、どの教科・授業・活動か
- 読む、書く、覚える、時間内に終えるなど、何が難しいか
- どの程度の時間がかかり、どのような間違いや疲れが出るか
- 困難によって、説明を聞けない、解答できないなどの影響が出ているか
- 家庭や学校で、これまでに試した方法はあるか
- 試した方法によって、理解度や負担がどう変わったか
- 本人は、どのように感じているか
「字が汚い」「読むのが苦手」と評価する言葉だけでなく、観察できる事実を書くことがポイントです。
例えば、「漢字が苦手」だけではなく、「漢字を思い出すことに時間がかかり、作文で書きたい内容を忘れてしまう」と書くと、学習上の影響が伝わります。
「困りごと→試した方法→変化」の順に1枚で整理する
学校へ渡す資料は、長い説明書にする必要はありません。次のような表を1枚にまとめるだけでも、面談時の認識合わせに役立ちます。
| 整理する項目 | 記入例 |
|---|---|
| 困る場面 | 国語の長文問題、黒板の書き写し |
| 起きていること | 文章を読み終える前に時間がなくなる |
| 学習への影響 | 内容を理解していても解答まで進めない |
| 試した方法 | 文章を読み上げる、文字を拡大する |
| 見られた変化 | 質問の意味を理解し、口頭では回答できた |
| 相談したいこと | 授業や校内テストで試せる方法を検討したい |
この記録は、学校へ希望を通すためだけの資料ではありません。どの方法が子どもに合うのかを、家庭と学校が一緒に検討するための材料です。
学校への相談文は事実共有と相談依頼の形にする
連絡帳やメールでは、最初から細かな配慮内容を決定するのではなく、面談や相談の機会を依頼します。
学校への相談文例
国語の長文やテストの問題文を読む際に時間がかかり、内容を理解していても解答まで進めないことがあります。家庭で文章を読み上げると、内容を理解しやすくなる様子がありました。学校での様子も教えていただき、授業やテストで試せる方法があるか相談させていただけないでしょうか。
相談文では、家庭側で対応方法を一方的に決めて求めるのではなく、家庭で確認したことと学校での様子を持ち寄る形にします。
担任から校内支援につなげる相談の進め方
最初の相談先は担任が一般的ですが、担任だけで配慮内容を決めるとは限りません。必要に応じて、特別支援教育コーディネーター、通級指導の担当者、校内委員会、管理職などが連携して検討します。
文部科学省は、特別支援教育コーディネーターについて、保護者からの相談窓口、校内委員会や校内研修の企画・運営、関係機関や学校との連絡・調整などを担う役割を示しています。詳しくは、文部科学省の特別支援教育コーディネーターに関する資料で確認できます。
学校によって名称や相談の流れが異なるため、担任へ「特別支援教育コーディネーターにも相談できますか」と確認して構いません。
最初は担任へ相談し、学校での様子を確認する
家庭では宿題に長い時間がかかっていても、学校では本人が困っていることを表に出していない場合があります。反対に、家庭では気づきにくい困難を学校が把握していることもあります。
面談では、次の点を確認します。
- 授業中に板書やプリントへ取り組めているか
- 音読や黙読にどの程度時間がかかっているか
- 口頭では答えられるが、記述では答えられないことがあるか
- 宿題や提出物が未提出になる理由を学校はどう見ているか
- 本人が困っている様子や、避けている活動はあるか
家庭と学校で見え方が異なっても、どちらかが間違っているとは限りません。場面によって負担が変わる可能性を考え、情報を合わせます。
特別支援教育コーディネーターや校内委員会につなげてもらう
配慮の検討に複数の教科や学年が関係する場合や、ICT機器の使用、校内テストでの対応などを検討する場合は、学校全体での調整が必要になることがあります。
特別支援教育コーディネーターは、担任、通級指導の担当者、管理職、校内委員会、必要に応じた外部機関をつなぐ役割を担います。
学校によって相談体制は異なりますが、次のように依頼できます。
読み書きの困難について、学校全体で検討できる方法があるか確認したいと考えています。必要であれば、特別支援教育コーディネーターの先生にも相談させていただけますか。
一定期間試し、効果を記録して見直す
配慮は、一度決めた内容を卒業まで固定するものではありません。試した方法が本当に子どもの学習参加や理解につながっているかを確認します。
確認する内容には、次のようなものがあります。
- 授業内容を聞ける時間が増えたか
- 文章の理解度が変わったか
- 解答や提出まで進めるようになったか
- 疲れや不安が減ったか
- 本人がその方法を使いやすいと感じているか
- 教員側が継続可能な方法になっているか
有効だった方法や見直した理由は、個別の教育支援計画、個別の指導計画、面談記録など、学校で利用している書類に記録できるか確認します。記録があると、担任の変更や進級・進学時の引継ぎにも役立ちます。
合理的配慮の実践例を探す場合は、国立特別支援教育総合研究所のインクルDBを利用できます。
ただし、インクルDBの事例は、同じ診断名なら同じ方法を認めてもらえるという前例集ではありません。子どもの困難に近い事例を探し、「この事例と同じ対応をしてください」ではなく、「似た方法を試すことは可能でしょうか」と相談するための参考にします。
希望した配慮が難しいと言われたときの確認方法
学校へ相談しても、希望した方法をすぐに実施できない場合があります。そのときは、学校と対立する前に、何が難しいのかを具体的に確認します。
文部科学省の対応指針では、希望どおりの対応が難しい場合も、過重な負担になる理由などを説明し、代替となる措置を含めて話し合うことが重要とされています。
難しい理由と、学校が確認した内容を聞く
「対応できません」と言われた場合は、次の点を落ち着いて確認します。
- 本人に必要性がないと判断されたのか
- 授業やテストの目的と合わないと判断されたのか
- 機器、通信環境、教室管理などの問題があるのか
- 他の児童生徒の個人情報や試験問題の管理に懸念があるのか
- 担当教員だけでは決められず、校内での検討が必要なのか
- 別の方法なら実施できるのか
理由が分かれば、目的を保ちながら別の方法を考えやすくなります。
同じ目的を達成できる代替方法を相談する
配慮の目的と手段を分けて考えると、別の方法が見つかる場合があります。
| 希望した方法 | 目的 | 代替案の例 |
|---|---|---|
| 授業中にタブレットを常時使用する | 板書の負担を減らし説明を聞く | 特定教科のみ試す、板書をプリントで受け取る、授業後に撮影する |
| すべてのテストで時間を延長する | 読み書きのために不足する時間を補う | 問題文の読み上げ、拡大印刷、問題量や回答方法の調整を検討する |
| 宿題をすべて免除する | 長時間の書字による過度な負担を減らす | 量を調整する、口頭や入力で回答する、学習目標に必要な問題へ絞る |
代替案も本人に合うとは限らないため、期間を決めて試し、効果を確認します。
校内で話が進まない場合は相談先を段階的に確認する
担任との相談だけで話が進まない場合は、同じ説明を繰り返して対立を深めるのではなく、校内の別の担当者を含めた話し合いを依頼します。
- 担任へ、特別支援教育コーディネーターとの相談を依頼する
- 必要に応じて、学年主任や管理職を含めた面談を依頼する
- 学校での検討内容と、難しいとされた理由を整理する
- 公立学校では教育委員会、私立学校では学校法人や都道府県の私学担当部署など、学校から案内される相談先を確認する
発達障害者支援センターや地域の相談機関は、学校の配慮内容を直接決定する機関ではありません。ただし、家庭での整理、子どもの特性の理解、関係機関との連携について相談できる場合があります。詳しくは、発達障害者支援センターの相談内容と利用方法をご確認ください。
⚠️ 個別の事例に対する法的判断は相談窓口で確認してください
学校が希望した方法を実施しなかったことだけで、直ちに法令違反と判断できるわけではありません。本人の必要性、学校側の検討内容、理由説明、代替案の有無などによって状況が異なります。個別の権利関係や法的判断が必要な場合は、行政の相談窓口や法律の専門家へ確認してください。
入試・検定の配慮は日常の学校支援と分けて確認する
学校の日常授業や校内テストで利用している配慮が、高校入試、大学入試、資格試験でも自動的に認められるわけではありません。
入試や検定では、実施主体ごとに申請期限、必要書類、審査方法、利用できる機器などが定められています。受験年度の募集要項や配慮申請案内を確認し、早めに学校へ相談する必要があります。
校内で認められた方法が入試でも自動的に認められるわけではない
高校入試では、都道府県教育委員会や学校が受検上の配慮を検討します。文部科学省の参考資料には、試験室や座席、問題用紙、持参物、ICT機器などに関する配慮事例が掲載されていますが、全国で同じ方法や申請書が使われるわけではありません。
高校入試の配慮事例については、文部科学省「高等学校入学者選抜における受検上の配慮に関する参考資料」も参考になります。
資格試験や検定でも、読み上げ、時間延長、拡大問題、パソコン入力などの扱いは実施団体によって異なります。受験を予定している試験の公式情報を個別に確認してください。
日常の困りごとと支援の効果を記録しておく
入試に備えるためだけに、不必要な配慮を学校で実施する必要はありません。ただし、本人が日常的に必要としている支援について、次の記録を残しておくと、後から状況を説明しやすくなります。
- どの学年、教科、活動で困難が見られたか
- 読む速さや書く量など、学校が確認した状況
- どの配慮を、どの場面で試したか
- 配慮によって理解、回答、疲労などがどう変わったか
- 現在も継続して必要としているか
- 本人が自分の困難と必要な方法をどう説明しているか
検査結果だけでなく、学校生活の中で確認された困りごとや支援の効果が、必要性を説明する材料の一つになる場合があります。
進級・進学前に引継ぎ方法を確認する
担任の変更、小学校から中学校への進学、中学校から高校への進学では、これまでの配慮が自動的に引き継がれるとは限りません。
年度末や進学前には、次の点を確認します。
- 学校で合意した配慮内容がどの書類に記録されているか
- 次の担任や進学先へ、誰がどのように伝えるか
- 本人と保護者が用意する資料はあるか
- 進学先で改めて相談する時期はいつか
- 入試の配慮申請は、いつまでに準備を始める必要があるか
年齢に応じて、本人にも「何に困るのか」「どの方法があると学びやすいのか」を説明してもらいます。本人が自分の必要な支援を伝える力は、進学後や将来の学習環境を整えるうえでも役立ちます。
高校生の受験上の配慮や学習環境については、受験上の配慮が必要な高校生の学習環境の選び方も参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
診断書がなくても学校へ合理的配慮を相談できますか?
診断が確定していない段階でも、学校で起きている困りごとを担任へ伝え、支援方法を相談できます。音声教材については、医師の診断書や意見書を必須とせず、教員や特別支援担当者等の判断により申請できるとする文部科学省のQ&Aがあります。ただし、すべての配慮や入試で診断書が不要という意味ではないため、希望する内容ごとに確認してください。
タブレット入力や読み上げを校内テストでも使えますか?
読み書きに困難がある子どもへの支援方法として、タブレット入力、音声入力、読み上げなどを検討できる場合があります。ただし、本人の必要性やテストで評価する内容によって扱いが異なります。授業で使っている方法でも、校内テストでの利用は事前に学校へ確認してください。
合理的配慮を受けると成績評価が有利になりますか?
合理的配慮は、成績を有利にするためのものではありません。読み書きの困難によって、理解している内容を十分に示せない場合に、問題の読み方や回答方法などを調整します。どの方法を使えるかは、教科の学習目標やテストの目的に応じて検討されます。
担任へ相談しても話が進まない場合はどうすればよいですか?
特別支援教育コーディネーターとの面談を依頼し、必要に応じて学年主任や管理職を含めた校内での検討を相談します。希望した方法が難しい場合は、その理由と代替案を確認してください。それでも校内で話し合いが進まない場合は、公立学校なら教育委員会、私立学校なら学校法人や都道府県の私学担当部署など、学校から案内される相談先を確認します。
入試で配慮を受けるには、学校での利用実績が必要ですか?
必要な資料や審査方法は試験の実施主体によって異なるため、学校での利用実績だけで配慮の可否が決まるとは限りません。ただし、どの場面で困り、どの方法を使うと学習や解答がしやすくなったかを継続的に記録しておくと、必要性を説明する材料になる場合があります。
まとめ:困りごとを具体化して学校と配慮を検討しよう
この記事では、ディスレクシアの子どもが学校で相談できる合理的配慮と、保護者の伝え方について解説しました。
- 合理的配慮は個別に検討する:診断名だけで同じ対応が決まるわけではなく、本人がどの場面で何に困っているかを確認します。
- 困りごとと配慮を対応させる:読み上げ、拡大、キーボード入力などを、目的と効果を確認しながら試します。
- 手段だけでなく事実を伝える:「板書に時間がかかり、説明を聞けない」など、学習への具体的な影響を共有します。
- 学校内の相談体制を利用する:担任だけでなく、特別支援教育コーディネーター、校内委員会、管理職などにつなげてもらいます。
- 試した結果を記録して見直す:一度決めて終わりにせず、本人の理解、負担、使いやすさを確認します。
- 入試・検定は個別に確認する:日常授業の配慮が自動的に適用されるとは限らないため、申請期限や必要書類を早めに調べます。
最初から完成した要望書を作る必要はありません。まずは、子どもが困っている場面、起きていること、家庭で試した方法を短く整理し、学校での様子を教えてもらうところから始めましょう。





