【年齢別】「しんせつなともだち」の楽しみ方ガイド(4歳~小学校低学年向け)

  • 公開日:2025/2/9
  • 最終更新日:
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雪の日に心温まる「思いやりの連鎖」を学べる絵本

「しんせつなともだち」は、雪深い冬の日に動物たちが食べ物を分け合う姿を通じて、思いやりの心と優しさの連鎖を描いた名作絵本です。方軼羣さんの作、村山知義さんの力強い絵、大川悦生さんの翻訳で、1965年の出版以来、多くの子どもたちに愛され続けています。

うさぎが見つけたかぶを、おなかをすかせているだろう友達のために届ける。その優しさが次々と友達へ連鎖していく様子は、4歳から小学校低学年のお子さまが「人を思いやる心」を自然に学べる素晴らしい教材です。

【年齢別】「しんせつなともだち」の楽しみ方ガイド

お子さまの発達段階に合わせた読み方をすることで、この絵本の価値をより深く感じることができます。4歳〜小学校低学年まで、それぞれの年齢に最適な楽しみ方をご紹介します。

4歳向け

物語の流れを楽しむ時期

🎯 この年齢での楽しみ方

  • 繰り返しのリズムに注目:動物たちが次々と食べ物を届ける繰り返しのパターンが、4歳児には予測する楽しさを与えます
  • 絵の細部を観察:雪景色の中の動物たちの表情や足跡を一緒に探してみましょう
  • 「どうしてかな?」の問いかけ:「うさぎさんはどうしてかぶを持っていったのかな?」と優しく問いかけて

📖 読み聞かせのコツ

  • ゆっくりとしたペースで、各場面を十分に見せながら読む
  • 動物の名前を指さしながら「次は誰が出てくるかな?」と興味を引き出す
  • 寒い雪の日の情景を「寒そうだね」「雪がたくさん降ってるね」と共感的に語る

💡 発達のポイント

4歳は他者の気持ちを理解し始める時期。「おなかがすいている友達」への思いやりという概念を、物語を通じて感覚的に学びます。

5歳向け

登場人物の気持ちを考える時期

🎯 この年齢での楽しみ方

  • 気持ちの言語化:「うさぎさんはどんな気持ちだったかな?」「ろばさんは嬉しかったかな?」と感情を言葉にする練習
  • 因果関係の理解:「かぶをあげたから、次の友達も優しくしたんだね」と連鎖を説明
  • 自分との関連付け:「あなたも友達に優しくしたことある?」と実体験と結びつける

📖 読み聞かせのコツ

  • 各動物の立場になって、声色を変えて読む
  • 「もし自分だったらどうする?」と問いかけて考える時間を作る
  • 読み終わった後に「一番好きな場面はどこ?」と対話する

💡 発達のポイント

5歳は他者視点を持ち始める重要な時期。登場人物の気持ちを想像することで、共感力と道徳性の基礎が育ちます。

6歳向け

物語の深い意味を理解する時期

🎯 この年齢での楽しみ方

  • テーマの理解:「優しさが次々と伝わっていく」というテーマを明確に理解できる年齢です
  • 社会性との結びつけ:「幼稚園や学校でもこういうことあるかな?」と実社会と関連付ける
  • 価値観の形成:「どうして思いやりが大切なの?」という深い質問にも答えられるように

📖 読み聞かせのコツ

  • 最後に全体を振り返り「優しさの輪」というテーマを明確に伝える
  • 「もし誰も友達のことを考えなかったら?」と逆の状況を想像させる
  • 実際に家族で「優しさリレー」を試してみる提案をする

💡 発達のポイント

6歳は抽象的な概念を理解し始める時期。物語から「思いやりの連鎖」という普遍的な価値を学び、自分の行動指針とすることができます。

小学校低学年向け

自分の行動に活かす時期

🎯 この年齢での楽しみ方

  • 批判的思考:「なぜ最後にうさぎにいもが戻ってきたの?」と物語の構造を分析
  • 実践への応用:学校生活で実際に思いやりの行動を実践する動機づけ
  • 文化的背景の理解:この絵本が中国の民話を元にしていることを知り、文化への興味を広げる

📖 読み聞かせのコツ

  • 自分で音読させて、感情を込めて読む練習をする
  • 読書感想文のテーマとして活用し、自分の考えを文章にする
  • 「次の日、動物たちはどうなったかな?」と続きを想像して書いてみる

💡 発達のポイント

小学校低学年は道徳的判断力が発達する時期。物語を通じて学んだ価値観を実生活で実践し、社会性を育む重要な段階です。

物語が子どもの心に育む5つの大切な変化

「しんせつなともだち」は、単なる物語ではなく、子どもの心に深く残る教育的価値を持っています。

❤️

思いやりの心

自分が持っているものを、困っている友達のために分け与える優しさ。うさぎが見つけたかぶを、おなかをすかせているだろうろばに届ける姿から、子どもは「相手のことを考える心」を学びます。

🔄

優しさの連鎖

ひとつの親切が次々と伝わっていく美しい循環。ろばからやぎへ、やぎからしかへ、しかからうさぎへ。自分の優しさが巡り巡って戻ってくることを、物語を通じて体感できます。

🤝

助け合いの精神

厳しい冬という困難な状況の中でこそ、支え合うことの大切さが際立ちます。「困ったときはお互いさま」という社会生活の基本を、動物たちの行動から自然に学べます。

🙏

感謝の気持ち

誰かからもらった優しさに気づき、感謝する心。最後にうさぎが自分の家にいもが置かれているのを見つける場面は、見えない優しさへの気づきと感謝を教えてくれます。

🌟

行動する勇気

ただ考えるだけでなく、実際に行動に移すことの大切さ。動物たちは皆、自分の足で雪の中を歩いて友達に届けます。思いやりを「行動」で示すことの価値を伝えます。

親子で深める読み聞かせのポイント

📚 読む前の準備

  • 季節を感じる:できれば冬の寒い日や雪の日に読むと、物語の世界により入り込めます
  • 表紙をじっくり見る:「どんなお話だと思う?」と予想させて期待感を高める
  • リラックスした環境:温かい飲み物を用意するなど、心地よい読書環境を作る

🎭 読み聞かせの工夫

  • 間を大切に:各場面で十分に間を取り、絵をじっくり見る時間を作る
  • 繰り返しのリズム:「ともだちは るすでした」という繰り返しを、リズミカルに読む
  • 感情を込めて:動物たちの優しい気持ちが伝わるように、温かい声で読む
  • 足跡に注目:雪の中の足跡を指さして「誰の足跡かな?」と探す楽しみを

💬 読んだ後の対話

  • 開かれた質問:「どの場面が一番好き?」「どうしてそう思ったの?」と自由に話させる
  • 共感を示す:子どもの感想に「そう思ったんだね」と受け止める
  • 実生活と結びつける:「あなたも誰かに優しくしたことある?」と経験を引き出す
  • 行動につなげる:「明日、誰かに優しくしてみようか」と実践を提案

🔁 繰り返し読むことの大切さ

  • 新しい発見:読むたびに新しい気づきがあり、理解が深まります
  • 価値観の定着:繰り返し触れることで、思いやりの心が自然に身につきます
  • 安心感:お気に入りの絵本を何度も読むことは、子どもに安心感を与えます

物語をもっと楽しむ!親子アクティビティ

読み聞かせの後に、物語の世界を広げる活動を取り入れることで、学びがより深まります。

🎨 雪の日の絵を描こう

物語に出てきた動物たちや雪景色を自由に描いてみましょう。「うさぎさんがかぶを運んでいる絵」「雪の中の足跡」など、印象に残った場面を表現することで、物語への理解が深まります。

🎭 劇遊びをしてみよう

家族で役を決めて、物語を演じてみましょう。うさぎ、ろば、やぎ、しかの役を交代で演じることで、それぞれの動物の気持ちを体験できます。セリフを自由にアレンジしてもOKです。

📝 続きのお話を考えよう

「次の日、動物たちはどうなったかな?」「また会ったらどんな話をするかな?」と、物語の続きを自由に想像して話してみましょう。小学生なら文章に書いてみるのもおすすめです。

💝 優しさリレーを実践

家族で「優しさリレー」を始めましょう。誰かに優しくしたら、その人が次の人に優しくする。物語のように優しさの輪が広がる体験ができます。1週間続けて、最後に振り返ってみましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1: 何歳から読み聞かせできますか?

A: 推奨年齢は4歳からですが、3歳後半のお子さまでも絵を楽しむことができます。ただし、物語の「思いやりの連鎖」というテーマを理解するには4歳以降が適しています。年齢に応じて読み方を工夫することで、小学校低学年まで長く楽しめる絵本です。

Q2: 読み聞かせにどのくらい時間がかかりますか?

A: 読むだけなら5〜7分程度ですが、絵をじっくり見たり、途中で対話したりすると10〜15分かかります。特に初めて読む場合は、時間に余裕を持って、ゆっくりと読むことをおすすめします。

Q3: 冬以外の季節でも読んでいいですか?

A: もちろん大丈夫です。ただし、雪の日や寒い冬の日に読むと、物語の情景がよりリアルに感じられ、子どもの共感が深まります。季節を問わず「思いやり」のテーマは普遍的なので、一年中楽しめます。

Q4: 子どもが思いやりを実践するにはどうすればいいですか?

A: まずは小さなことから始めましょう。「ありがとう」を言う、困っている友達に声をかける、家族の手伝いをするなど。絵本を読んだ後に「明日、誰かに優しくしてみようか」と提案し、実践した後に「どんな気持ちだった?」と振り返ることが効果的です。

Q5: 男の子も楽しめますか?

A: 性別に関係なく楽しめます。動物たちが主人公で、雪の中を歩く冒険的な要素もあるため、男の子も十分に楽しめます。思いやりや優しさは、性別を問わずすべての子どもに必要な心の成長です。

Q6: 集団での読み聞かせに向いていますか?

A: 幼稚園や保育園での読み聞かせにも最適です。繰り返しのリズムがあり、シンプルなストーリーなので、集団でも楽しめます。読んだ後にグループで「優しさリレー」を実践するなど、活動につなげやすい絵本です。

書籍情報

タイトルしんせつなともだち
方軼羣(ほう いーちゅん)
村山知義(むらやま ともよし)
大川悦生(おおかわ えっせい)
出版社福音館書店
初版発行1965年10月
対象年齢4歳〜小学校低学年
ページ数28ページ
サイズ26×19cm

購入について

全国の書店、またはオンラインストアでお求めいただけます。

  • 定価:990円(税込)
  • Amazon、楽天ブックスなどで取り扱いあり
  • 図書館でも広く所蔵されています

まとめ:心に残る「思いやりの連鎖」を親子で体験しよう

「しんせつなともだち」は、60年近く読み継がれてきた名作絵本です。雪の日の動物たちの優しさを通じて、子どもたちは「思いやり」「助け合い」「感謝」という、人生で最も大切な価値観を学びます。

4歳から小学校低学年まで、年齢に応じた楽しみ方で、長く読み続けることができます。読み聞かせを通じて、お子さまと一緒に「優しさの輪」について語り合い、実生活でも実践してみてください。

寒い冬の日に、温かい部屋で親子で読む「しんせつなともだち」。その時間が、お子さまの心に一生残る宝物になるはずです。

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